Field Note

「ああ、なるほどね」を”おすそ分け” 国際協力、食、農業、経済、東南アジアを主とした雑記。

爆買いはまだまだ続く。日本で売っている、ということの価値

アジアからの旅行者による爆買い。

円高を背景にやや下火、と言われているが、今後の見通しはどうなのか?

 

個人的には爆買いはまだ続く、と考えている。

理由は以下の通り。

 

1. 富裕層予備軍はまだまだいる

ベトナムでは月給10万円程度でもiphone持ってる。

これから高価格品を買える人はもっと増えていく。

でももっと大きいのが次。

 

2. 同じものでも、日本で売っている、ということ自体に価値がある。例えばiphoneでも、日本であえて買いたがる東南アジア人は多い。

 

なぜ日本でわざわざ買うかと言うと、現地では偽物が多いから。大手のショップで買っても信用できないから。

日本製、でもなく、日本メーカーでもなく、日本の市場の偽物をスクリーニングする、という信頼性にお金を払っている。

価格比較サイトで最安値を調べても、口コミや評価が悪い店だったら、少しくらい高くてもamazonなど大手のサイトで買おう、というのと同じで、この考えは理解できる。

 

じゃあ、いつまでこの日本市場の信頼性の優位は続くのか?

逆に言えば、なぜ海外ではそんなにも偽物が出回るのか。

 

いくつか理由は考えられる。

1. 管理、規制に関する制度が適切でない、もしくはそもそも規制がない。

2. 制度はあるけど、運用する側に問題がある。賄賂の存在

3. 規制や罰則があってもそのリスクを背負ってでもお金を稼がなきゃいけない人が多い。貧困の存在

4. 隣国のリスク。上記は国内だけでなく、隣国の状況も影響する、例えばベトナム国内でいくら取り締まりを厳しくしても、隣国中国からの影響は避けられない。

 

つまり、

1.規制ができて、

2.賄賂などがなくなりきっちり取り締まりをし、

3.規制を破ってまでお金稼がなくても生活できる、ってくらい貧困状態が改善され

4.かつ、自国だけでなく、隣国でも同様の改善が見られる

 

ってのが偽者が出回らなく(にくく)なる条件。

2については、日本で役人の天下りを根絶するのと同じくらい、もしくはもっと、ハードルが高い印象。

日本は4項目全てを完全でないにせよ(4は島国でラッキーってのもあり)、他国より高い水準で満たしてる。

この水準に、中国やアジア諸国が追いつくのはまだまだ先。

 

というわけで、日本市場の信頼性優位はしばらく続き、スクリーニング機能を維持できる限り、外国の富裕層による爆買いは無くならないんじゃないかと思います。 

 

 

<2018年6月追記>

家電もそうだけど、医薬品、化粧品、日用品、食品(特に幼児向け)など、安心、安全が重視される分野はまだまだまだまだ、新興国の需要あると思う。

もはや安心って、事実だけでなく、イメージとかブランドだから、日本の築き上げている地位は圧倒的。

GDPでは中国に抜かれたけど、製品の安全性というブランドイメージで抜かれるのは相当先。