Field Note

「ああ、なるほどね」を”おすそ分け” 国際協力、食、農業、経済、東南アジアを主とした雑記。

歴史や伝統を守る=変化を拒む、ではないよねという話

新しい技術や取り組みを取り入れようとすると、必ずぶつかる批判が、

 

伝統を守れ!これまでの歴史で守られてきたものを止める、変えるなんてけしからん!

 

と言う批判です。

 

新しいものを取り入れて、これまで存在したものを上書きしてしまうのは、これまでの歴史に対する冒涜だ、ということらしいです。

 

対立軸で語られることの多い、新しいものを取り入れて変化することと、伝統を守ること、ですが、

別にこの2つは対立しないんだけどな、とよく思ってます。

 

そもそも、歴史上の人々が、その時々で、色々考えながら、その時代に少しでもいいものを、って変化してきたものの積み重ねが「伝統」になるわけで、歴史的な「伝統」も、初めからあったわけではなく、過去のある時点で、(それより昔のやり方を変えて)その時代の人が新しくスタートしたから存在している訳です。

 

今の時代に、何かをやめたり、新しく始めたり、どのような決断をしようとも、100年も経てば歴史の教科書(がまだあれば)、この時代の人はこれこれこう言う社会背景から、このような選択をしました、なんて感じに、立派に「歴史」や「伝統」になる訳です。

 

誤解を恐れず言うならば、自分達の新しい取り組みは歴史を壊すので、過去や伝統を守らなくてはいけない、という考えは、自分たちが行なっている(少なくとも今の時代は)新しい取り組みが、100年もすれば、過去の出来事になる、と言うことを理解していない、自分たちは常に守る側にいると言う、非常に上から目線の態度だと言えるでしょう。

 

昔から全く変化していない「伝統」などなく、ある意味、その時代に合わせて変化するということ自体が「伝統」なのだと思います。

 

変化を拒むことは、ある意味脈々と変化しながら積み重ねられてきた伝統を断ち切ること。

 

100年後くらいに、

 

この時代の日本人は、やたらと変化を拒む保守的な考えを持っており、文化の発展が停滞しました。

 

とか、歴史の教科書にかかれないといいね。

 

 

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)

 
昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)